第7章 孤爪研磨
あぁ、どうしてこんな人を好きになってしまったんだろう。今日は久しぶりに部活が休みだから午前中からデートの約束・・・だったはずなのに、1時間も待たされてる。スマホに連絡するも一向に繋がらない。駅前で待ち合わせしたのが悪かった。
私は駅前から彼の家に向かった。
貴「けーんま」
ドアの前から声をかけるが、一向に返事がないので勝手に入った。
・・・これは、昨日の夜中までゲームをしていたんだろうな。布団の中でうつぶせになり、その手にはゲーム機があった。へたすれば、明け方までやってたんじゃなかろうか・・・。
私はため息をつき、ベッドわきに座った。そして研磨の頬っぺたをふにふにとつついた。
孤「ぅう・・ん」
と寝返りを打ち、背を向けられた。猫のように縮こまってベッドの中で気持ちよさそうに眠り続けてる。
貴(か、可愛い!)
あ、今ちょっと待たされた事も忘れそうになってしまった。