第4章 西谷 夕
俺が幼稚園年長の頃だった。野良犬に追いかけられていたつばさを助けたのをきっかけに、1つ年下のつばさは”夕兄ちゃん”と俺を慕ってくるようになった。あいつはそのころから喘息があり、自分でもネブライザを使っていたんだった。
ザリガニ釣りや虫取りなどにもついてきて、俺は子分が出来たようでつばさがいじめられていたら、必ず助けに行っていたほどだった。そんな関係もあいつが小学生に上がるときに東京に引っ越してしまい、それきりになっていたんだが・・・。
あいつ、よく俺の事覚えていたな。それに、すごく可愛くなってた・・・。