第21章 love you (菅原孝支)
菅「ただいま」
貴「孝支、おかえり」
菅「あれ?つばさどうしたの?」
貴「うん、おばさんもおじさんも二人とも仕事で遅くなるって。なので、せっかくの誕生日なのに1人でご飯もなんだからってお呼ばれしました。ちなみに今日の料理当番はわたくしです」
菅「もう、高3なんだから誕生日なんてどうでもいいのに。しかも、つばさに作らせるなんて。大変だっただろ。悪かったな」
孝支は苦笑しながら私の頭をそっと撫でた。
貴「そんなことないよ。私も孝支の誕生日お祝いしたかったし」
孝支とは、はとこになる。私たちの母同士が従妹で仲がとても良く、小さいころはホントの兄妹みたいに育った。
いつのころからか覚えてないけど、孝支の姿をいつも目で追ううちに確信したんだ。孝支の事が好きだって。
昨日、おばさんから今日の事を仰せつかり一生懸命ごはんの準備をしておいた。孝支の大好きな麻婆豆腐も作りサーモンのマリネやらミートローフやら、ちょっと見栄えのするご飯なんだけど喜んでくれるかな。
菅「は~、すげ~うまそう。がんばったなぁ」
孝支が席に着く。
貴「ハッピーバースデー孝支!ケーキも作ったからね」
菅「ホントありがとな。じゃあイタダキマス」
孝支は部活でお腹がすいていたのか、かなり食べてくれた。作り甲斐もあったというものだ。
貴「あ、そうだ。ご飯終わったらでいいから課題の解らないとこ教えてほしいな」
菅「いいぞ、じゃご飯終わったら俺の部屋いくべ」
貴「うん」
孝支は分からないところがあっても根気強く丁寧に教えてくれるから、解りやすい。手こずっていた問題もそうこうするうちに理解することが出来た。
貴「ありがと、これで明日の小テストも大丈夫だよ」
菅「そうか、明日がんばれよ。じゃあ、一息入れるか」