第15章 complex (及川 徹)☆
それから・・・私は長かった髪を肩まで切り、ダテ眼鏡も外しクラスで友人もできた。
そして私のやりたいこと。やっぱりモデルをやりたくてレッスンを再開、オーディションを受けまくり、ある雑誌に載ることが出来た。
でも及川さんには内緒。
・・・にしていたんだけど。
及「つばさちゃん!これどういうこと!」
及川さんは私の部屋に入るなりそう言った。手にはその雑誌を持っている。
・・・見つかってしまったか。そう、その仕事はカップルコーデの特集ページで男性モデルとのカラミが多い仕事だったんだ。
及「付き合って3ヶ月、まともにデートもしてないのに!!仕事とはいえ他の男とカップルコーデしてるし」
うん、言われると思ってた。だから黙ってたんだよね。
貴「だって、仕方ないじゃないですか。及川さんはバレー三昧、私も東京と宮城行ったり来たりだったし・・・ね」
及「あ~~~、やる気なくなった」
すねてベッドの上に寝転んでしまった。なんかこの人こういうところ可愛いなぁって思う。
貴「及川さん、久しぶりに半日一緒に居れるんだし、機嫌なおして一緒に洋服買いに行きましょうよ」
及「・・・名前で呼んでって言ったでしょ」
・・・名前呼び、慣れなくて恥ずかしいんだけど・・・
貴「・・と、徹?機嫌なおして?好きだよ」
私は徹のほっぺにキスをした。と思ったら腕をつかまれ身体が反転し、いつの間にか徹の顔が上にみえる。
貴「え、あれ?」
及「君から誘ったんだからね」
貴「あの、お出かけのお誘いなんですけど・・・」
及「うん、でも俺つばさちゃんのこと補充したくなったから・・・」
貴「ち、ちょっと待って・・・」
及「もう待てない」
長く深いキスを何度も繰り返す。そしてキスは首筋から下へとどんどん下がっていった。そのうち私はベッドの海に沈み、意識を手放した。
目が覚めると、徹はまだ眠ったままだった。
私は彼の整った顔を見ながらバレーやってる真剣な時と、意外に子供っぽい所のギャップが私のツボをついてくるなぁなんて思いながら、再び徹の腕の中で眠りについた。
END