第7章 6日目
「明日で一週間かぁ...」
早いもんだな、と朝日が差し込んでくる窓を見た。
この猟銃を使ってまともに獲物が取れるようになったのは佐助のお陰だった。
また、技術を向上させるために練習に付き合ってくれた幸村だった。
長く続くのではないかと思っていたこの一週間も、この2人と出会うことで短く、そして楽しく過ごせたのだ。感謝してもしきれない。
明日になれば朝早く帰る。沢山話せるのは今日が最後だろう。
「...あ、風魔さん」
布団を片付けていると視界の隅に黒梟がいるのに気がついた。
梟は夜行性だと聞いていたのでまさかこの時間に起きているとは思わなかった。
「おはようございます」
身震いをして、こくんと頷く。
「風魔さんは、色々な森を旅していると聞きましたが...ここにも来たことがあるんですか?」
また、小さく頷いた。
すると人間の姿に戻り、いすに腰掛けた。
「この屋敷に幸村達がいるのは知ってたんですか?」
ふるふる、と首を横に振った。まぁかつては武将だと聞いていたし、気配の云々は消したりするのは得意なのだろう。私には良く分からないが。
「おはよー」
眠そうに欠伸をしながら佐助が起きてきた。
幸村と佐助は獣となり床や屋根で寝ているのだという。前にちゃんと布団で寝ればいいのに、と言ったところそんなものは必要ないとキッパリ断られたことがあった。
風魔もその類のようだ。
「明日、帰るんでしょ?」
寂しそうにまゆを下げ、苦笑いをした。
「はい」
一週間でここまで仲良くなるとは思わなかった。きっと互いにそう思っているのだろう。
「明日はさ、村まで送っていくよ」
「えっ!?だ、大丈夫ですよ」
「某らがしたいだけですので!」
「わあっ!」
急に顔を出してきた幸村は嬉しそうにニコニコしている。恐らく幸村が提案したことなのだろう。
「じゃ、途中まで...」
そう言えば幸村や佐助だけでなく、風魔までも嬉しそうにした。