第7章 あなたの想い
凛「大切…か…ありがとう。」
それでもまだ寂しそうな顔をする。
銀時は頭をガシガシと掻いて言った。
銀「だからよぉ…俺はお前をとことん大事にしてやるっつってんだ。」
凛「…は?」
銀「お前が欲しがってる愛情ってのを俺が惜しみなくくれてやらぁ。」
凛「…プッ…なにらしくない事言ってんのよ。でも結局は赤の他人。意味もなく愛せはしないわよ。なにか見返りがあるから大切なのよ。」
銀「……見返りなんていらねぇ。」
銀時は真剣な顔になっていた。
銀「好きなんだ。お前が。だから見返りなんかいらねぇ。心の底から幸せになって欲しいんだ。もう二度と寂しい思いなんてさせねぇ。俺が、お前の身も心も救ってやるよ。」
目を丸くする凛。
銀「…………帰るぞ。」
しばらくお互いに見つめあっていたが、ふいに銀時が目をそらし、スタスタと前を行く。
凛「あ、ちょ、銀さん待ってよ!!」
銀「待たねぇ!!」
凛「…大切にしてくれるんでしょ…?」
銀「……はぐれんなよ。」
凛「隣来てよ。」
銀「やだ。」
凛「なんでよ。」
銀「恥ずかしいんだよぉぉぉ!!」
見れば顔は耳まで真っ赤だ。
凛「でもあそこで新八くんも神楽ちゃんも依頼人の二人も見てるよ?」
遠くでは四人がニヤニヤとこちらを見ている。
銀「帰っとけよぉぉぉぉぉ!!」
凛は心の重しが少し軽くなるのを感じながら銀時の後をついていくのであった。