第5章 変化
地上に出たはいいが、二人は顔を合わせられないでいた。
しばらく無言になる二人。
銀「………。」
凛「………。」
先に口を開いたのは銀時だった。
銀「かっ、帰るかっ!!」
凛「えっ、あ、うん…」
だが凛は高杉に言われた事を思い出す。
周りを見れば、確かに一件甘味屋が見えた。
凛「あ、えと…私、ちょっと街を見て帰るから、銀さん…先に帰っててもらってもいいかな…?」
凛は、我ながら苦し紛れな理由だなと思った。
だが、今の銀時にそんな不可解さがわかるはずもない。
銀「そっ、そうか!!なら仕方ない!!べっ、別々に帰る事にしよう。じゃ、先に帰るぜ。遅くなるなよ。」
そう言ってそそくさとその場を去る銀時の後ろ姿を凛は眺めていた。
銀時は少し歩き、だんだんと早歩きになり、最終的にはダッシュで帰っていった。
慌て具合に凛は可笑しくなった。
銀「…ぷっ…変な人…」
自分でも驚いた事に、銀時のキスが嫌じゃない自分がいた。
ちょっと恥ずかしかったけど。
凛「さて…彼を待つとしますか。」
凛は甘味屋へ向かった。