第12章 あなたがいるから
凛は銀時に抱かれたまま、しばらく目を瞑って銀時の体温を感じていた。
落ち着いた所で銀時に向き直る。
凛「いいよ、銀さん。大丈夫。」
銀「おま…俺の話聞いてたか。」
凛「いいの。私が…そうしたいの。」
頬を染めてはいるが、しっかりと銀時を見つめる。
銀「……途中じゃ…止めてやれねぇぞ…」
凛「うん…」
そういうと銀時は無言で凛を抱えあげた。
無言のまま、部屋の襖を開け、ズンズンと部屋を通りぬける。
凛「え、どこ行くの?」
銀「近くに人がいたんじゃ集中出来ねぇ。…日輪に部屋一個もらってる。」
凛「ヤル気満々じゃん…準備いいのね。」
銀「違ぇよ。吉原の救世主にっつって周りに誰の部屋もない良い部屋を前に貰ってんだ。…使うのは初めてだけどな。」
最後の言葉を聞いて凛は嬉しくなって銀時にギュッとしがみついた。
銀時は割れ物を扱うかのように、凛を大事に抱きかかえながら部屋へと向かった。