第2章 幼少期
スッと目を開くと病院独特の真っ白な天井が目に入った。
(あれ......、デジャヴ......?)
つい数時間前に見た気がする天井を見つめて、しばらくぼーっとしている。何か虚しい。
カラカラと誰かが病室のドアを開けた音がして、頭を横に倒して音がした方を見た。
そこには、驚きに満ちた目でオレを見つめるナルトが果物がたくさん入ったバスケットを落としていた。
「なると......」
呂律の回らない舌でナルトの名を呼ぶと、我に返ったのか目を見開いて泣きそうになりながらズンズンと大股で近づいて来て、拳を作り俺の頭に振り落とした。
「いっ......!てめっ、何しやが......!」
ガバッと上体を起こしてナルトを睨みつけると、ボロボロと綺麗な目から涙を零すナルトが眉を釣り上げ、歯を食いしばり、一生懸命にオレを睨みつけていた。
「俺の側にいてくれるんじゃなかったのかよ......!
なんでお前まで、あんなとこで倒れてたんだよ......!
お前がいなく、なったら......、俺は、俺はぁ!」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔を更にぐちゃぐちゃにしてオレに言葉を投げつけるナルトに、キリリと胸が痛む。
ああ、そうだ。オレには此奴がいた。
兄さんもうちはの皆もいなくなったけど、泣き虫で強がりで意地っ張りな此奴がいたじゃないか。
莫迦かオレは。此奴を一人残してなんて行けるわけない。
「くっ...そが......!ふざっけんな!オレが、頼んねぇお前を、残してどこに、行くってんだよ......!」
オレも涙でぐちゃぐちゃになりながらナルトに言葉をぶつける。
ああ、そうだ。
一緒にいなくちゃ。約束したじゃないか。
オレが側にいて、認めてやるって、言ったじゃないか。
自分の言ったことに責任持てよ、オレ!
身を縮めて泣きじゃくる金色にあの日と同じように手を乗せ、撫でる。
今度は約束は必ず守るとこの胸にしかと刻み付けて。