第3章 ☆中島健人side☆
彼女はピアノの前に座ると曲を弾き始めた。俺はピアノの近くに行って目を閉じ彼女が奏でるピアノの音を聴いていた。とても綺麗な音色だ…。こんな音を出せるってすごいな…。
ピアノを弾き終えると彼女はこう言った
「どうかな…?それほど上手じゃないんだけど…」
『うん…すっごい上手だね…』
今まで聴いた事のない音色だった。
彼女に
『ねぇ…ピアノって小さい時から習ってたの?』
彼女は首を横に振りこう言った
「いいえ。独学よ。うち、親がいなくて一人暮らしだから…。自分で勉強して練習を積み重ねただけ。」
俺は正直おどろいた。独学でここまでの音色を出せるなんて…。彼女は絶対、才能を秘めている。無限の才能を…。彼女にピアノを教えてあげたい…。その一心で彼女の目を見て
『うそ!?あ、じゃあさ…俺さピアノが得意なんだよね…。良かったらこれから奈々に教えれるけど…。』
「ええ!?いや…そんなの悪いよ。お仕事とか忙しいんじゃないの?私なんかに構う必要なんてないよ…」
何を言ってるんだよ…
『いや。いいんだ。奈々だからいいんだよ。俺ならもっと君の隠し持っているピアノの才能を引き出せるような気がするんだ。それに…俺…奈々に一目惚れしちゃったんだよね…』
そう…出会った瞬間から俺は君に恋をしました。
彼女は顔を赤らめていた。俺は彼女を抱きしめて彼女に囁いた。
『俺と…付き合ってください。奈々を幸せにします。だから…付き合ってください。』
彼女は顔を真っ赤にして頷いた。
『じゃあ…これからよろしくね。俺の事は健人って呼んでね。』
俺は奈々の唇に自分の唇を重ねた。
これが俺は の始めての恋。一般人との危険な恋の始まりだった…。