第1章 The day when the life changes
貴女は誰か大事な人を失った経験はあるだろうか。
私にはある。
それもまだ小学生のころの話だ。
…少し昔話をしよう。
私には2人の幼なじみがいる。
…正確には『いた』だが。
同じ病院で、同じ月に生まれ、同じ町内に住み。私たちが同じ時間を過ごすことは神様によって決められていたみたいだった。
これが運命というやつだろうかと、考えたこともあった。
実際、私たちは3人で幼少期の長い間を過ごした。
女子2人と男子が1人。
女子の方は同い年とは思えないくらい大人びた子だった。年以上の知識を持っていて、色々なことを教えてくれた。
私にとっては姉だった。
一方男子はどこまでも元気で明るかった。年相応の悪戯を繰り返し、時には私たちまで巻き込んでいた。
私にとっては弟だった。
私は2人に囲まれていた。
2人は私をどう思っていたかはわからない。
そして2人がお互いをどう思っていたか当時はわからなかった。
でも私にとってあの日々は楽しかったし、今でも楽しい幼少期だった、そう思える。
でもこの過去は。
この友情は言えない。
誰にも言えないし、言いたくもない。
このことは秘密にするって。
彼とそう決めたから。