第3章 【3rd time】優しい光(影山飛雄)
━━━━♪
突然鳴り出したスマートフォン。
誰かと名前を確認すれば愛おしい名前。
『もしもし?飛雄?』
「…あ、えと…その…」
『どうしたの?珍しいじゃん』
わざわざ電話をかけてくるなんてなにかあったのだろうか。
部活かな?それとも勉強かな?
「い、今から…会いに行ってもいいか?」
『へ?…あ、全然構わないけど』
ここ最近1ヶ月は会っていない。
相手は部活で忙しいし、私は青葉城西3年であるため大学受験でなかなか会える時間を作ることが出来なかった。
そんな折、会いたいと言われ、嬉しさで胸が高揚するのを感じる。
「じゃあ、今から行くから待ってろ」
そういって切れた電話。
この時期の夜8時は寒い。マフラーを巻いてコートを羽織り、外に出る。
しばらくするとやってきた黒い影。
『久しぶり飛雄。会いたかったよ』
そういってにっこり微笑む。