銀魂かっこいいタイトルつけたら更新できないと思うからごめんね
第12章 銀髪の彼はやっぱり死んだ魚の目をしていました
知らない人を抱きしめるはずがない
そうだ普通そんなことするはずがない
どうしてなのかはすぐに思いつかなかった
頭がテンパり短時間にいろんなドキドキを受け
意外と簡単な答えにこの時私は気が付くことが出来なかった
「お前…華子じゃねぇよな」
「私は華子ですけど…」
「ちげぇよ!お前は華子じゃねぇ!」
少し怒っているかのように言い返された
ビクッと肩を震わせてしまった
なんで怒られているのかわからない
自分の名前でこんな事態になったことが人生一度もなかったから
そんなことある方が稀だ
「と、とにかく私は…華子です」
ビビりながらもなんとか伝えた
それであなたは誰なんですか?と言葉にするほどまだ余裕がなく探るように彼を窺った
「あいつなわけ…ねぇか」
そう小さく呟きながら自分の掌を見つめたあと
へらっと苦笑いして頭の後ろをポリポリし私へ軽く謝罪した
「悪い…人違いだわ」
そう話す彼は先程見た緋色の目ではなく
アニメで見慣れた死んだ魚の目をしていた
「俺は坂田銀時、ここで万事屋やってる。ほんと悪かった」
そんな彼にようやく少し落ち着きを取り戻した私には
彼がとても悲しそうな目をしているように見えた