第6章 初恋・笠松幸男
今まで人生かけてバスケしてきたおかげで恋愛なんて一切経験なし。考えたこともなかった。
大学受験に向けて勉強するために図書室に行ったある日に出会った。
さき「あの…笠松さんですか?」
笠松「そうだけど…?」
急に話しかけられたのが見上げた先には見慣れない女子がいて、顔も目も直視できなくて視線を逸らしてしまった。
さき「この前のウインターカップの試合観ました」
笠松「そ、そうか、でも負けたとこ見られたのはかっこわりぃよ」
さき「そんなことないです!!」
図書室にそこそこの声量で響いた声に反応して飛んできたのは森山。
森山「おい、笠松!女子の声がしたぞ!ってさきちゃんじゃないか」
笠松「知り合いか」
森山「同じ学年なのにさきちゃんのこと知らないなんてどうかしてるよ笠松」
さき「し、知らなくても仕方ないから!…そんなことはどうでも良くて、これ受け取ってください」