第3章 幼馴染と片思い
春樹と私は幼馴染。
家が隣同士で、気がついたときにはいつも春樹が隣にいた。
一緒にいることが当たり前で……
ねぇ、私の気持ち知らないでしょ?
ずっと前から好きだって気づいてないでしょ?
あなたにとって私は恋愛対象じゃなくて家族なのかもしれないね。
「よっ、めぐ!おはよ!」
「春樹!おはよう!」
家のドアを開けると、春樹も丁度自分の家から出てきたところだった。
いつも通りの朝。
家を出る時間は8時。
春樹がこの時間に出るって知ってからは毎日この時間。
だって一緒に登校できるから。
学校までの道のり、いつも通りたわいもない話で盛り上がる。
幸せな時間。
ずっとずっと続けばいい。
でもそれが叶わないことだって分かってる。
もし春樹に彼女が出来たら…?
考えるだけで胸が張り裂けそうになる。
あなたはその笑顔を他の女の子に向けるの?
考えても仕方ないのにモヤモヤとした気持ちが心を支配する。