第1章 やんちゃ系彼氏と待ち合わせ
「遅れちゃった!!なんで目覚まし鳴らないのよ〜!!」
今日は翔とデートの日。
昨日は楽しみすぎてなかなか寝付けなかった。
それで目覚ましかけ忘れるとかどんだけバカなの私…。
翔…怒ってるかなぁ…。
私は半泣きになりながら家を飛び出した。
後ろでお母さんの「気をつけていきなさいよ!」という声が聞こえる。
「はーい!!大丈夫!」と答えた声は目の前に止まったバイクの音でかき消された。
目の前にある黒のバイク…これって…
「翔?!」
「おっせーから迎えに来た!」
ヘルメットを外してニカッと笑った笑顔に私は釘付け。
翔の綺麗な金髪が太陽に透けて輝く。
あぁもう。なんでそんなにカッコイイかな…。
「めぐ?」
ヤバい!見つめてるの気付かれた?!
「ごめん!遅れちゃって!!その…目覚ましかけ忘れちゃって…」
「めぐってほんとドジ…まぁ、そんなことじゃねぇかとは思ってたけど」
翔は大きくため息をひとつ。
……もしかして、呆れられちゃった?
「んな泣きそうな顔してんじゃねーよ(笑)誰も怒ってねぇって」
「うん…ごめん…」
「分かったらほら!笑え!俺今日めっちゃ楽しみにしてたんだぞ?せっかくデートするならお前の笑顔が見たい」
「私も!すごく楽しみにしてたよ!」
満面の笑みで返事をした。
「私も楽しみで寝られなくて遅刻しました」とは言えなかったけど…
「よし!んじゃ、行くか」
翔は私の頭をポンポンと2回叩き、またあの眩しい笑顔で笑った。
やんちゃ系彼氏と待ち合わせ-fin.