第22章 お好み焼き
大:「一人で大丈夫ですか?あきらくん、めっちゃ寝てますよ?」
みんなが動き出したのに動かない私に、心配そうな顔で大倉くんが言った。
淳子:「大丈夫ですよ♪慣れてますから♪お疲れ様でした」
気持ちがありがたかったので、笑顔で答えると少し顔を紅くして、大倉くんが、立ち上がった。
大:「ほな、また、前日に…」
そう言って、あきらの頭を撫でてから歩いて行った。
誰も居なくなった会議室には、抱いてるあきらの寝息だけが聞こえてた。
しばらくボーッとしてから、駐車場へ向かった。
車の中で起きたあきらとたまには外食しようとファミレスに寄って帰った。
お風呂に入って、当分寝ないであろうあきらがテレビを付けて、やっと一息ついた時にスマホが光ってるのに気がついた。
太輔くんからだ!
< 太輔→淳子 >
やっと今から晩飯です。もう寝ちゃったかなぁ…
些細な事だけど、連絡してもらえるのが嬉しかった。
< 淳子→太輔 >
お疲れ様♪大丈夫。まだ起きてます。あきらも
…今日は、夕方にけっこう寝てしもたから、まだ当分起きてると思う…
今、時間大丈夫?新年会のスケットが誰か分かりました!
関ジャニ∞の皆さんでした!
びっくりやろ!?
< 太輔→淳子 >
…
既読にはなったのに、太輔くんからの返事が止まってしまった。
仕事中なのだから、と自分に言い聞かせた。
電話で話したかったな…と思いながら、あきらを見ていると、lineの電話が鳴った。
ティントンティントン♪
淳子:「ハイ?太輔くん?」
あきらに聞かれると、取り上げれてしまうので、小言でキッチンへ向かった。
太:「なんでそんなに小言なの?」
淳子:「あきらに聞かれたら、横取りして太輔くんと話たがるもん…今、キッチンに来たから大丈夫♪」
太:「あはは。なるほどね」
淳子:「どしたん?まだ、仕事中よな?」
太:「…声が聞きたくて…」
嬉しくて、勝手に顔が綻んだ。
淳子:「うちも…電話で話したいなぁと思てたから嬉しい♪」
ついこのあいだまで、こんな会話を太輔くんとできるなんて思いもしなかった。
この歳でまた恋ができるなんて…
恋愛対象にしてもらえるなんて…
今日の出来事を話ながら、幸せを噛み締めていた…