第10章 涙の理由(わけ)
マネージャーから、淳子さんたちと連絡が取れない事を聞かされてから2週間。
俺もlineしたり、電話してるけど繋がらない。
心配だけど、仕事で他に何も出来ない…
自分にイライラする。
でも、実際、他には何も知らないから、何も出来ないんだ…
今の俺と彼女にはなんの繋がりもない…
今日もキスブサの収録。今日はこれだけ。時間があるからよけいに彼女の事を考えてしまう。
玉:「今日、マネージャー居ないね」
北:「なんか、他の仕事らしいわ。キスブサだけだから、オレたちだけなんだと」
宮:「他って、なんだろね?オレらのマネージャーなのにね」
マネージャーは、まだ彼女を探してるんだろうか…
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マネ:「わざわざお越しいただいて、もうしわけございませんでした。荷物はお預かりします」
マネ:「この度は御愁傷様です」
深く頭を下げてくれた。
淳子:「いえ、こちらこそ何度も連絡いただいてたのにほったらかしにしてすいませんでした。ほら、あきら、じっとしてて」
私も頭を下げる。
マネ:「いえ、仕方ないですよ。もう、大丈夫ですか?前にお話しさせていただいた通り、社長はこちらです。私も同席いたしますから」
そう言って、とあるビルの最上階の静なフロアの一番奥の部屋へ連れていってくれた。
コンコン。
淳子:「失礼します」
あきらを抱いて、中へ入って、頭を下げる。
顔をあげると、白髪混じりの、年配だけどお洒落でスマートなおじいさんがこちらをニコニコしなが見ていた。
淳子:「こんにちは。葉山です。この度は大変ご迷惑をおかけしてたようで、申し訳ございませんでした」
あきらを立たせて、もう一度深く頭を下げた。
淳子:「あきら、ご挨拶して」
あ:「こんにちは。あきらです」
ペコリとお辞儀して、私の足にしがみついてきた。