第8章 コンサートのDVD
一応、デートと名前が付いてる。
旦那に、旦那以外の人と居る所を見られるのがこんなに恥ずかしいとは思わなかった。
あきらがテレビに映ってる♪ぐらいにしか思ってなかったので、改めて見ると、あの日の自分たちはこんな風に見えてたのかと、恥ずかしくなった。
拓:「あきら、男前に映ってんなぁ!さすが、プロに撮ってもらうと違うなぁ!」
拓:「淳子もキレイに映ってんな。良かったな♪」
旦那は気にならないのか、あきらが映るたびに喜んでる。
淳子:「ヤキモチやかんの?」
拓:「そりゃ、気持ち良いもんではないけど、あきらが男前に映ってるし、今は俺の側に淳子もあきらも居るからね♪」
拓:「藤ヶ谷くんは1日。俺は毎日♪」
そう言ってほっぺにキスしてくれた。
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デートの時のコンサートDVDをもらった。コンサートの部分をいつものようにみんなで見ながら反省会。次の話をする。
特典DVDも見た。淳子さんとあきらくんの笑顔が画面に映ってる。
玉:「ガヤさん、手繋いでんじゃん!」
二:「子ども可愛いなぁ♪」
横:「3人とも楽しそうだね~」
宮:「親子みたいだ~」
千:「良いなぁ…」
北:「やっぱ、子どもが居ると違うなぁ!」
みんなが感想を言ってるけど、あんまり耳に入らなかった。
顔が見れた。声が聞けた。
それだけで嬉しかった。毎日、気づけばスマホを何度も確認してる。癖のように。
送ってくれるのは、あきらくんだけ。
彼女については一言もない。
だから聞かない。
多分、またアイドルとおばさんと思ってるんだ。
ただの子ども好きと思ってるんだ。
あきらくんだからなのに…
おばさんなんて思ってないのに…
横:「太輔?どした?大丈夫か?」
渉が、隣に座った。驚いた事に涙が流れてた。
北:「ついに藤ヶ谷太輔、本気で惚れたか?」
渉と反対側に座ってた北山が、俺を肘でつつきながら言った。
遊びで付き合った人なんて居ない。
真剣に付き合った。ちゃんと好きだった。
けど、こんなにその人を欲した事はなかった。
想いながら涙をながした事なんてなかった。
自分でも驚くほど、俺の中で彼女がどんどん大きくなっていく…