第14章 愛しい彼
大野さんの家に夜食でも
持っていこうと仕事の帰りに
スーパーに依って帰る途中。
『あ・・隼斗』
家の近くをうろついてのは
懐かしい隼斗の姿だった。
「お・・おぉ…」
『・・うん』
ちょっと、あのときの
切ない気持ちが甦ったけど
大丈夫な気がした。
だって、あたしには大野さんがいる。
『……どした?』
「こ…これ・・・」
そう言って隼斗があたしに
渡してきたのは白いカード
新郎と新婦の可愛い人形の折り紙が
付いてて、すぐに分かった。
“招待状”だって
「ダメかもしんないし!
嫌だと思うのは当たり前だと思う!
でも・・お前は元カノである前に
俺の大切な幼馴染みだから!」
力強くそう言う隼斗は
あたしが見てきた男ではなかった。
強くなった“父親の姿”
「スピーチお願いしてぇんだ。
図々しいけど・・・・
お前が俺はいい。
うちの嫁もそれがいい。って
言ってくれてる。
やっぱり、だめ…だよな。」
隼斗…あなたとはいろいろあった。
終わり方はあんな風だったけど、
あなたのおかげで
大切で愛しいと思える人にも出会った。
『いいよ。
あたしでよかったら・・』
「・・そっか!
ありがとうな!?」
最後まで大切に思ってくれて
ありがとう。