第14章 愛しい彼
「なに、先生さぁ
良いことでもあった?」
ピンクの着物を着ながら、
あたしを見る主婦の安西さん
『え…何もないですよ?』
うそ・・・ずっと
大野さんのことを考えてた。
電話鳴ってないかな?とか
仕事大変かな?とか・・
「ふふっ…そう?」
『あ、帯はこうですよ。』
さっき先生って呼ばれたのは、
あたしが着物の着付け教室の講師だから。
結構、人気があって
今日は夏休みもあって若い人が多い。
「休憩にしない?
先生の携帯さっきから鳴り止まないし?」
そう言っておもしろそうに笑う
安西さんはお上品な奥さま
『あ・・』
携帯を見ると4件の着信がきてた。
全部、大野さん。
休憩にして、あたしは直ぐ様
違う部屋に行った。