第4章 甘いぬくもり
「ねぇ…何か怒った?」
ちょっと期待した自分に腹が立って
いや、大野さんにも腹が立って
ちょっと黙ってみた。
そしたら、大野さんは
あたしの顔をずっと覗いてくるし、
もう…ずるい。
「ねぇ…いちごちゃ…
あ!名前!名前教えてよ」
『………です』
「ふふん…ちゃんね」
何か急に呼ばれて
胸がすごい跳ねてしまった。
今あたし怒ってんのにな~…
「ちゃん
明日さ、お祭り行こ?」
『……え?』
つい二度見してしまった。
だって…大野さんから…
誘われるって…って!!
「彼氏と行けなかったんでしょ?
オイラも行ってないし、
明日だけ彼氏になったげる」
これは同情なのか?
それともあたしに興味があって?
それとも祭りが好きで?
どれにしてもさ…
嬉しすぎる。
『…はい』