第23章 何してんだよ。*nino*side
泣きながらイチゴオーレを
飲んでるちゃん
落ち着いてきたのか、
俺にちょっと気持ちを話してくれた。
『・・過去・・なのに…
過去じゃないんです。・・たぶん』
それは矛盾してておかしい話に
聞こえてしまうけど当たってる。
どこかでリーダーは吹っ切れてない。
まだ過去に何かを忘れてる。
『過去に勝てなくて…っ…
あたし・・だめなのかな・・』
「・・・・」
こういうとき、わたしが決まって
何かを言えちゃう立場なんだろうけど
何も言えなくて・・
ただ、見つめてた。
また涙が溢れてくる彼女の目を
『・・もう…大野さんの傍に
いちゃ…だめなのかな・・っ』
ねぇ・・大野さん・・
聞いてます?
俺には響きましたよ。この子の声
通話状態にしたスマホを
見つめながら思った。
通話の相手はもちろん大野さん
ニノちゃんにはこれくらいしか
できませんでしたよ。
仲直りしてください。