第20章 甘え方
大野さんが出ていったあと
あたしはソファーに座って考えてた。
『あーまえかた・・?』
LRRRR...
その勢いでゴロンと横に倒れたら
耳元で着信の音が鳴った。
大野さん・・忘れちゃったんだ。
黒い大野さんの携帯を持って
ジッと見てるとディスプレイに
-ニノ-と表示されてて驚いた。
『え・・どうしよ・・
え・・ニノ…だ。
あ、二宮さんだろ、自分』
携帯を持ってまだテンパってる自分
でも、大事な話だったら・・
そう思って勇気を振り絞り、
『も…もしもし…
・・です。』
〈え?あ、あなたね?
ふふっ…リーダーは?〉
いつも通りのちょっと
高いけど優しいホッとする声
『あ、コンビニに・・
つゆを…ん~…甘え方?』
〈ん~・・はい?
ん~っと…コンビニにつゆを
買いに行ったわけね?
んじゃあ、そうめんかそばだ。〉
すごいんですけど・・この人…
あれだけのワードで・・
『ご名答です。』
〈ふふっ…なんすか、それ
んで?甘え方って?〉
『え・・あ、いや・・
大野さんがですね?
自分に甘えてみろって言うんですよ。』
〈へぇ~…あの人がそんなことを・・
で、あなたは分かんないわけだ。〉
『ん~…はい。』
ソファーに寝転びながら少し
二宮さんの声を心地よく聞いてた。