第2章 に。
いつも通りの雑談中。ふと、先輩がわたしの目を見て言った。
「気になる子が出来たんだ。だから、協力してもらえないかな?」
ああ、この時がやってきたかって思った。予想はしてたよ、わざわざ先輩がわたしのクラスの階まで降りてくるくらいだから。わたしの学年に好きな子がいるんだろうなって。
「任せてください!精一杯協力しちゃいます!」
「うん、ありがとう」
元気に言った言葉とは裏腹に、その日はテンションが酷く低かった。好きなんかじゃないのに、なんでこんなに悲しいの。先輩に協力すると言った手前、なにもしないわけにはいかないだろう。わたしは、目の前で先輩とその好きな人をくっつけるんだろうか。
「あー!!」
思考回路がなんだかおかしい。いま、ふと思ったことに笑えた。
わたしが"先輩のことを好き"とか。