第13章 どんな子が好き?
授業中、黒板に並ぶ数式を写す…
眠い…。
……。
あっ、ダメ。ちゃんと写さなきゃ。
ノートに数字を書く。
なんかアルファベットも。
……。
私は黒板とノートを交互に見る。
わかってる。
ちゃんと理解出来ていないから、こんなに写すのが大変なんだ。
数式がバラバラにしか見えない。
前のテストでは良い点が取れたけどこのままじゃ…。
85点以上取らないと…っていうのは、なんか結局ナシになったけど…。
あんまりな点数だと雅樹くんに失望されちゃうよね。
どうしよう。
やっぱり雅樹くんは勉強出来る女の子が好きなのかな…?
…
「雅樹くんってどんな女の子が好き?」
お昼休み、2人でおしゃべりしてるとき聞いてみる。
「え、どんな? うーん、やっぱりそれは…優子さんのような…人です」
彼が頬を少し赤くしてうつむく。
嬉しいけど…
雅樹くんは優しいから、私が聞いたらそんなふうに言うよね。
「ありがとう。でももうちょっと具体的になんかない? 理想とかでいいからさぁ」
私は突っ込んで聞いてみる。
「具体的に…ですか? うーん…」
彼はアゴの下に手を置き、少し考える。
このしぐさ、結構好き。
「そうですね。思いやりがあって優しくて、真面目で努力家で、素直で可愛らしくて…ちょっとセクシーな女の子…かな?」
彼が照れくさそうに打ち明ける。
理想高っ…。
案外、図々しいなぁ。