第11章 学校で…
暗くなってきちゃった。
うぅ冷えてきたし。
そろそろ帰らなきゃ。
放課後、ひとりでトイレに行った帰り、校舎の窓から外を眺めて思う。
「優子さん、優子さん!」
ん?
声に振り返ると、本をいっぱい抱えた雅樹くんが廊下を小走りでやってきた。
「あ、雅樹くん。本、いっぱい…大丈夫?」
「大丈夫です。資料を図書室に返しに行くところで…。
優子さん、こんな時間まで残ってるなんてめずらしいですね?」
「うん。コンテストに出す動画の編集作業手伝ってて。でも、もう帰るよ」
「なら、送りますよ。僕もちょうど帰るとこです。これを返したらもう用事は終わりなんで。放送室に迎えに行くから待っててください」
「うん、待ってる」
雅樹くんがニッコリ笑って小走りで去っていく。
私は放送室に戻ろうっと。
歩き出そうとすると
ドサッ、バサバサバサ…
物音に振り返ると、抱えてた本を落っことしちゃってアタフタしてる。
「半分持つよ。一緒に行こう」
私は駆け寄り、本を拾うのを手伝う。
「うぅ、すみません…。女子に力仕事を手伝ってもらうなんて面目ないです…」