第10章 誘惑
「嫌じゃないよ。あの…さわってみていい?」
「えっ。あ、いや。そんな無理しないでください。前、無理にさわらせちゃってあんな…。あの、こんなの嫌ですよね」
彼は少し身体を浮かせて、それを離す。
前にさわって泣いちゃったこと気にしてるのかな。
「大丈夫」
「えっ!」
私は浮いた身体のすき間に手を伸ばし、彼のものにそっと触れる。
そぉっと手のひらで包む。
「前はびっくりしちゃっただけ。もう慣れたから、大丈夫。もう一度さわってみたかったの」
私はそれを、軽くにぎにぎしてみる。
やっぱりすっごく固い。
それに…すごく大きい気がするんだけど…
でもどれぐらいが普通かわかんない…
「あの…雅樹くんてもしかして大きいほう? これ」
にぎにぎしながら聞いてみる。
「普通です! これは今…すごく勃ってるから! って、そんなふうに手を動かされると…」
普通なんだ。
「さわられるの嫌い…?」
「嫌いとか好きじゃなくてっ。あのそんなふうにされると変な気持ちになってしまうというか」
彼が少しアタフタして答える。
なんか可愛い。
いつもされっぱなしだからちょっと気分いい。
「変な気持ちってどんな気持ち…?」
私は彼のものを包んだ手をそぉっとそーっと前後に動かしてみる。
「変な気持ちっていうのは、そのなんて言うか、その気持ちいいっていうか…はぁはぁ…」
うれしい。
気持ちいいんだ。
なんだか彼のことが愛おしい気持ちが急に込み上げてくる。