第8章 寒い?
「あ、あの…こんなことになって、約束が違うじゃないか、と思われたかもしれないですけど…
あれはなんていうか、お互い試験勉強を頑張るために、ちょっとしたなんていうか、あの…」
少し布団で隠しながら、ブラとキャミを身に付ける私に彼が言い訳?する。
「うん…。あの、私のブラウスその辺にある?」
「あ、はい。どうぞ」
彼が床に落ちてたブラウスを拾って渡してくれる。
「あの…優子さんは充分頑張ってましたし、点数だってほんのちょっと足りないだけだし、僕だってそれなりの結果を出せました。
だからあの、それだけで意味があったというか…もういいんじゃないかな…みたいな…」
雅樹くんがいいなら、私はもちろんいいに決まってる…
「ね、そう思いませんか?」
ブラウスのボタンを留めている私の手を、彼が上からぎゅっと握る。
「えっ…。あ、うん。思う」
「ですよね、ね」
「うん。えっと…私これからも頑張るね」
「僕も…頑張ります!」
私の目をじっと見つめて、彼が笑顔で宣言する。
あの、手をどけてくれないとボタンが留められません。