第6章 大事にします
「……」
結婚するまで sex しません…?
しないの?
じゃあ、私があんなうじうじ悩んでたのはなんなの?
……。
「なんだ。しないんだ」
私は思わずつぶやく。
ドサッ
ふぁっ?
気がついたら、彼にベッドに押し倒されてる。
え? あれ? しないんじゃないの?
私は彼の顔を見上げる。
「がっかりしなくて大丈夫ですよ。sex しなくても…満足させてあげますから…」
そう言って、彼は私の唇にキスする。
「んっ…ちが…んぐぅ…」
舌を入れられる。
えと、満足って、えと…
いやいやいや
彼の舌が私の口の中でいっぱいで、舌にまとわりついて…
ん…
私の頭の中がふわふわしてくる
あっだめ
「んっ…んふっ…雅樹くんっ…はぁはぁ…」
なんとか唇を離す。
「どうしたんですか?」
「あの…えっと…満足? とかいいよ…。つまんないでしょ? 私だけ悪いっていうか、なんていうか…」
なんて言えばいいの…
「遠慮しなくていいんですよ」
彼が優しく微笑む。
いやいやいや
彼が話を続ける。
「それに…つまらなくないです。優子さんが感じているのを見るだけで僕は…。
僕のベッドの上で乱れる優子さんの姿と声を脳裏に焼き付けて…僕は夜…一人で…。
あ、こんな話はしないほうがいいですかね」
ふふっと彼が照れくさそうに笑う。
一人で…なに?
いやなんとなくわかるけど…
考えたくない…考えないっ!