第5章 嘘つきな私
「おはよう、雅樹くん」
「おはようございます。優子さん」
翌朝、彼の教室で、私はいつも通り朝の挨拶をする。
「今日は朝からいい天気で気持ちいいですね」
彼が爽やかにニコニコする。
「うん、そうだね。いい天気だね…」
私は窓の外を眺める。
そうだね…いい天気…
「あれ…? 少し元気ないですか? 今朝の占いが12位だったから?」
私の様子を見て、彼が尋ねる。
「うん、そうなの…12位だったの…」
私は答える。
そっか。私12位だったんだ、今日。
ていうか、今日は本当に生理でお腹痛いの。
予定よりだいたい3日ぐらい早く来た。
身体がビックリしたのかな…。
「大丈夫ですよ。今日のラッキードリンクはいちごオレです。お昼休みにまた飲みに行きましょうか」
彼が笑顔で提案する。
「うん。じゃあまたお昼休みにね」
私も笑顔で答えて手を振る。
私は自分の教室の席に座り、カバンを置いて机に伏せる。
彼はいつも通り優しく、いや、いつも以上に優しくしてくれるのに、私は彼と距離をとりたいと思ってしまう。
キスも、それ以上のことも、してみたいと思っていたのは私で、
それをしていいよって言ったのも私なのに。
私は…。
…