第1章 私の彼氏
放課後。彼と一緒に下校。
彼は文芸部。私は放送部。
お互いの部活がない日は一緒に下校する。
「田中さん。あの…今日はこれから用事とかありますか?」
彼が私に遠慮がちに尋ねる。
「ううん、ないよ。どっか寄り道しよっか」
「えっと…僕の家に来ませんか? のんびり出来ると思いますし…宿題なんかしたりとか…」
「いいの? 行く!」
彼の話を遮り気味で私が返事すると、彼はホッとしたように笑った。
一緒に下校して寄り道することはよくあるけど、パン屋さんとかマックで買い食いしておしゃべりするのが多い。
お家に誘ってくれるなんて嬉しいな。
私たち、つい先週ファーストキスしたばかり。
ふふっ、またキスしちゃうのかな。
「なんだかご機嫌ですね。そういえば占いが1位って言ってたから…今日は学校で何かいいことありましたか?」
ニヤニヤしてたのかな? 彼に尋ねられる。
「うん! いっぱいあるよ。あのね、あのね…」
彼は私の話をいつでもニコニコして聞いてくれる。大好き。