第1章 私の彼氏
私には彼氏がいる。
付き合って半年ぐらい。
付き合って半年でやっと、ついこないだファーストキスした。
そしてなぜか結婚の約束もした。
あれ? 逆だったかな?
結婚の約束をしたからキスした。
まあそれで何が言いたいかって言うとー
私の彼は超真面目で、私はそんな彼が大好きってこと。
…
「おはよう! 村上くん」
朝、登校すると、私は彼の教室に寄り、おはようって言う。
「おはようございます。田中さん」
彼はだいたい自分の席で本を読んでる。
本から顔を上げて、彼がにっこり微笑む。
今日も頭に寝ぐせが付いてる。可愛い。
「テレビの占いで私、今日1位だったの。でね、ラッキーカラーがブルーだったの。だから、ほら、ブルーのチェックのシュシュにしたの」
私はちょっと斜めを向いて、彼にシュシュを見せる。
「とても可愛いですね。似合ってます」
彼が優しく微笑む。
「それでね、それでね…」
だいたいこんな感じで、私が話したいことを一方的に話す。
彼は優しく頷いて聞いてくれる。
「じゃあ、そろそろ行くね。村上くん、今日部活ないんだよね? 私もないから。一緒に帰ろうね」
「はい。では、放課後に」
教室を出るとき、私はもう一度彼に大きく手を振る。
彼は少し恥ずかしそうに、本の下に隠して小さく手を振ってくれる。