第21章 だいたいそう
夜、寝る前。ベッドの上で。
「そういえば、あのクマ、あんな所にいたんだ」
彼が学習机に座ってるクマちゃんのぬいぐるみを指差す。
「うん、どうせ机使わないし」
「ふふ、いい考え」
寝返りを打ちながら、彼は楽しそうに笑う。
「あのクマちゃん、どうして私にくれたの?」
ちょっと気になっていたことを聞いてみる。
「うーん…優子さんに似てたから」
「へっ?」
「優子さんに似てる気がしたんですよ。あのクマ」
そう言って彼は、私の頭をぽんぽんと撫でる。
「雅樹くんには私があんなふうに見えてるの?」
「そうですね。だいたいそうです」
彼が優しく微笑む。
「ふふっ、うれしい」
私は彼にぎゅっと抱きつく。
…