第18章 二泊三日
夏休みに入ったばかりの連休。
今日から父と母は二泊三日でちょっと遠くの親戚の所に泊まりに行く。
私は家で勉強したいからって留守番することになってる。
母が朝食のお皿を洗ってるとき、父が私にこっそり言った。
「そんなに無理して勉強しなくていいんだぞ。頑張りすぎるなよ」
って。
「うん」
って、私は笑顔で頷いた。
確かに私、3年生になってから、ちょっと無理して頑張って勉強してる。
でも、今日と明日とあさっては勉強しない。
悪い子でごめんね。
…
出掛ける父と母を見送って、私は自分の部屋に掃除機をかける。
軽くシャワーを浴びてから、お気に入りの服に着替える。
雅樹くんにLINEでメッセージを打つ。
「出掛けたよ」
彼からすぐ返信。
『了解。すぐ行く』
…
体育祭のことがきっかけで、雅樹くんとはまた交際するようになった。
でもお互いの部屋を行き来するようなことはなかった。
それは暗黙の了解…というかなんというか。
でも…
…
「夏休み最初の連休、うちの両親二泊三日で旅行に行くの」
7月になったばかりの放課後、私は彼に告げた。
「…仲良いんですね。お父さんとお母さん」
ちょっと間を置いて、彼が答える。
「ぷっ」
私は思わず吹き出す。
「いや、あの、とりあえず無難に答えてみたんです」
彼がちょっと言い訳する。
うつむいて、片手で頬を押さえる。
顔が赤い。
そんな彼の様子を見ると、私の身体も熱くなる。
「泊まりに行っていいですか?」
彼が私の顔を見て尋ねる。
私も彼の顔を見て答える。
「来て」