第17章 ありがとう
私は3年生になった。
特に変わりなく…いや変わるけど、毎日普通に過ごしてる。
…
朝、登校した私は、まっすぐ自分の教室の自分の机に座る。
同じ教室には雅樹くんがいる。
2年のクラス替えのとき、雅樹くんに片想いしてた私は、彼と一緒のクラスになりたかった。
3年のクラス替えでは同じクラスになりたくなかった。
でも同じクラスになってしまった。
まあ文系クラスは2つだから、同じクラスになる可能性は結構あって、覚悟はしてたけど。
同じクラスになりたいときになれなくて、なりたくないときになるなんて。
つくづくついてないなぁ…。
…
クラス替えで仲良くなったマナに、ある日こっそり聞かれた。
「ねぇ、優子と村上くんって付き合ってなかった?」
「うん、付き合ってた。でも別れたの」
私はニッコリ笑顔で答える。
「え、なんで? ラブラブって感じだったよね。優子、毎朝うちの教室来てしゃべってたよね」
そう言えばマナは2年のとき、雅樹くんと同じクラスだったっけ。
私は笑顔で打ち明ける。
「受験勉強の邪魔になるからって振られたの」
「えっ…」
「私、勉強に負けたんだぁ」
泣きまねする。
「そうだったんだ。よしよし」
マナが私の頭をなでなでしてくれた。