第2章 大丈夫
「気持ちいいの…?」
少し唇を離して、彼が問いかける。
恥ずかしくて、私は目を合わせないまま小さく頷く。
「本当? 僕にもしてみてもらっていいですか?」
彼が私の唇の前に、自分の舌を差し出す。
私はそれを、はむってくわえてみる。
やらかくてむにむにしてる…
私は唇でしばらくその感触を確かめてから、チュッって吸う。
そして唇を離す。
「ん…うん…気持ちいい。優子…さん。またしてあげる。舌出して」
はぁ…名前…呼びすてされたのかと思った。
私は舌を出す…というか、彼の口の中に直接差し込む。
彼の口の中で、私の舌がはむはむされたり、
私の口の中で、彼の舌をはむはむしたりする。
なんだかすごく気持ちよくなってきて、身体がベッドの中に沈んでいきそう。
ぎゅっ…て彼の腕を握る。
すごく長い間、唇を合わせてる気がするけど、もっとしてたい。
ずっとしてたい…。
でも、彼は唇をそっと離す。
はぁはぁ…
私の唇から吐息が漏れる。
そんな私の顔を、彼がじっと見下ろす。
どうしよう…超恥ずかしいけど、息が…はぁはぁしちゃう…
「優子さん…顔が赤い…。もしかして興奮してますか?」
私の頬を手でそっと撫でながら彼が問いかける。
そんな…そんなの…どう答えたらいいの…?
私は横を向いて目をそらす。
「ねぇ、優子さん」
彼が私の頬を手でクイッてして前を向かせる。
えー…
「そ、そうかも…」
仕方なく、私は答える。
超恥ずかしいけど、そうだから…。