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お仕事男子〜美容師編〜

第1章 出会い



ーカランカラン

ちょっと懐かしさを感じさせる音に、そっとドアを開けると

「こんにちはー」
と出迎えられる

普段いく馴染みの美容室とは大違いの煌びやかな世界に面食らい
何も言えなくなる有紗
やっとの思いで

「あの、裕翔さんっていますか?」
とだけ言う
「あの、失礼ですかご予約されていますでしょうか?」
受付にいる女の人が、見慣れない顔の有紗に訝しげに声をかける

「あ、してない、です。」
そっか、予約か。忘れてた。こんなとこなら、予約必要だよな
自分のうっかりさ加減に苦笑い

「申し訳ないんですが、うちは…」
断りを入れる彼女にぺこりと挨拶をして立ち去ろうとしたその時

奥から、偶然顔を見せたらしいハニーブラウンの背の高い彼とほんの一瞬目が合った

「あー!来てくれたんだーっ!」
とあっっかるーい彼の声で、足が止まる

「長岡さん、お知り合いですか?」
受付の女の子はキラキラと羨望と憧れで輝く目で彼を見つめる

「んー、俺が惚れた人?」
いつの間にか、有紗の隣に来て肩を引き寄せ、小首を傾げる裕翔に
おっきい目をもっと大きく見開いてまじまじと有紗を見つめる彼女
いや、彼女だけじゃない。店中の人が、裕翔の発言に動きが止まっている

ーーいやいや、その言い方語弊があるから!あんたが惚れたのは髪の毛でしょーがっ!

裕翔の言い草に心の中で盛大に突っ込みを入れてから、肩に置かれた手をグイッと引き剥がす

「誤解招くことしないでください」

「連れないなぁ」
なんて、シュンとした声を出しているが、表情はまんざらでもなさそう

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