第1章 出会い
長岡有紗20歳
「あー、もうほんと有紗の髪キレー」
友達の結花が有紗の髪をすくって頬ずりをする
「ありがと笑、でもなんかちょっと変態っぽいから」
思わず苦笑いすると、
「いまどきこんなに綺麗な黒髪の子いる?いないからねっ!ストレートだしほんと惚れる」
うちは天パだし…と自分の肩ぐらいまででくるんとはねている髪を指に巻きつけながら、有紗の黒髪の美しさについて熱く語ってくれる
「だから!恥ずかしいって。褒めてくれるのは嬉しいけどさ」
ここは大学の食堂で今はお昼時を少し過ぎたぐらい。だからと言って人がいないわけではない。それなりに人がいる中での、結花の手放しの力説は恥ずかしかった
小さい頃、おばあちゃんはいつも「有紗の髪は綺麗だねぇ、美しい髪は女をより美しくするのよ」と言って、撫でてくれていた
だから、髪の手入れだけは、毎日欠かさずやっているだけ褒められるととても嬉しかったりする
「やだー!触るー」
「だから、やめてってば」
と2人でじゃれ合いながらのんびりと午後の時間を過ごしていた
その時、