第13章 関ジャニ∞:大倉忠義
ズキズキ痛む、苦しい。
「その人はね、いつも御見舞に来てくれて
何も彼との記憶がないのに笑ってくれて
すごく優しくて、本当に強がりな人」
そう笑った彼女が、
涙を流して俺に手を伸ばした。
その手を、ゆっくり掴んで。
体温が、上がる。
「たーくん、ごめんね、
思い出したの。ぜんぶ。」
「ぜ、んぶ…」
「でもなんだか不思議でしょ?
私ね、記憶がない時も
たーくんがすごく好きだったのよ。
御見舞に来たとき、すごく嬉しかった」
本当だよ、って笑うが
俺の手を引っ張って引き寄せ
抱きしめてくれて
涙腺が緩んで涙がこぼれ落ちた。
「おかえり、」
例え記憶がなくたって、
俺はを好きにさせたる。
なんて、強がったけど
運命を感じたんやで
記憶がない時も、すごく好きだったのよって
それって、おとぎ話みたいやろ?
つまり、運命やん
( 例え記憶がなくたって ) END