第12章 関ジャニ∞:錦戸亮
自分でも醜いなって、そう思う。
すぐ怒って問い詰めて、
そんなのただの自己満足にしか過ぎないこと
今までたくさん実感して後悔したのに
遠い存在なんて付き合ってなくても
感じていたくせに。
1人、テレビを見ていたのに
視界がだんだん滲んで
会いたくなって、電話を掛けてしまっただけ
『………もしもし?』
大きな間と、息切れした声
やっぱり忙しかったかな
いつも通りの声で返事を返す。
「ううん、仕事忙しそうなの?」
『まあな。ドラマ撮影長引いてんねん
終わったらビュンって帰ってくるわ』
いつも通りの亮のふざけた返事で
どこかホッとしてる自分がいた
「ふふ。わかった、待ってるね」
本当だったら今日は私の誕生日、
だったんだけどな
きっと覚えてなんかないんだろうな。
期待なんて、しないけど。
やっぱり視界が滲んで
涙がこぼれた。