第12章 関ジャニ∞:錦戸亮
このまえ、
章大さん家の両親が縁談の話を持ちかけた。
お互いにいい年だし、
そろそろ婚約者ぐらいはっと。
章大さんは嬉しそうに笑ったが、
私はそうじゃなかった。
ちらっと視線を移した亮くんは
平気な顔して私に微笑んだ
そして分かった。
亮くんは、きっと、"執事さん"なんだと。
「…放っておいて!!
貴方は頼まれた事する執事さんでしょう?
私が誰と居ようと関係のないことじゃない!!
別に執事とずっと居る決まりはないのよ」
執事はいつか、離れてしまう。
私が大人になればまた違う執事がつく。
そしていずれ、親が決めた相手と結婚すれば
相手側の執事がつく事になる。
そうなれば、亮くんは
私から離れて他の子についてしまう。
分かってることを今さらワガママ言っても、
どうにもならないことぐらい分かってる
…儚い恋だと、分かってる。
諦めなきゃいけないと自覚している。
「分かったらさっさと…!」
でも、イヤだ。
私は亮くんが好きだ。
「イヤや。」
「へ?」
「何の為に婚約話を、
取り消しにしてきたと思ってんねん!!
他所の執事が近づくぐらいやったら
そんなん、死んだ方がマシや」
「りょ、亮くん?」
「勝手に婚約しようやなんて思わないで
俺の中では、様しか居らへんねん、ずっと」
そういって、
亮くんは私を抱きしめた。
( 本当に欲しいもの ) END