第12章 関ジャニ∞:錦戸亮
別に傷ついた顔が見たいわけじゃなくて。
頬を思いきり叩かれたいわけじゃなくて。
でも決して快感の顔を見たいわけじゃなくて。
抱きしめたら温もりが感じられるから
俺は、抱きしめるだけ。
小さい声が、大きい声に変わった。
女って、思い通りにならないと
すぐヒステリックになって暴れるから嫌いや。
「…あんさぁ。めんどくさいから
先に一つだけ、言うとくで」
振りかざした手を掴み、
鋭い目つきで女を見る
「俺、女好きって知ってたやんな?
遊び呆けてるって知ってたやんな?
その上で俺の横にいたんやんな。
それやのに、殴ろうやなんて変やない?」
お前なんか好きじゃないし、
嫌いだって泣かれたって構わない。
でっち上げた噂話を広めたっていい
嫌われるのには慣れてる。
「俺、別にお前なんか好きじゃないし」
だけど、視線のずっと先に、
君が居たから。
「じゃーな。」
止まない泣き声を背中で聞きながら、
小さくため息をついた。
……、これで59回目