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Ifの物語。

第11章 関ジャニ∞:安田章大







傍から見たら、先輩と僕は、



きっと仲良しの先輩後輩でしかなくて。





和也と先輩は、


恋人同士にしか見えへんくて。







悔しくて噛み締めた唇。







ああ、全然届かへん。



どうしたら先輩の視界に
ちっこい僕は写るんやろう?



手を伸ばしたって、掴めない綺麗な手






「しょーーーたっ、」



「いっった!!なんやねん、飛びついてきて」




振り向くとタツが、

お菓子片手に立っていた。



「…あれ?今日は先輩のとこ、
行かへんの?もう行ったん?もしかしてフラれ……」


「うるっさい、黙ってタツ」



「あーそっか。章大はヘタレやからな
告白すら、出来てへんもんなあ。あー、勿体ない!」




わざとらしく(絶対わざと)大声で言うタツを

じっと睨むと、
ふふ、と小さく笑った。




「返事が見えてて、
言う必要ないから言わへんねん」



そうだ。

返事なんて分かりきってる。




ごめんなさい、だとか。




好きな人がいるとか。




だって、だって僕は……




『一緒だね』




思い出すあの一言が、


一つの仮説を立てた




「章大、そんなんな、勘違いかもしれへんやろ
だいたい、本人に確認せえへんで
何が返事なんて分かりきってるや、アホちゃうのん」



タツが肩を優しくポンポンと叩く。



ドクドクと音を立てる鼓動





「臆病者で、ええんか?
ほんまの答えを聞かへんで、ほんまにええんか?」







「行ってくる!!」






伝えなくちゃ本当の想い。



好きなのは貴方やって、

ずっとずっと好きだったのは、先輩やって









伝えなくちゃ、真実を。














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