第10章 関ジャニ∞:丸山隆平
私の好きな場所は音楽準備室。
楽器や楽譜や、
たくさんの物に溢れてるが
なかなか心地良い場所なの
「またここに居ったんか」
「あら、マル」
やっほ、と手を振れば
いつもの不機嫌な顔を見せる。
いつだって貴方は不機嫌。
だけど隣に座ってくれる。
「みんな捜してたで。」
「そうなのー?」
ふぅ、と息を吐き
マルは頭をぽんっと軽く叩いた。
「ここってね、思い出の場所なの」
「ここ、が?」
なんで。とマルは
また不機嫌に変わる。
「学校に来たばかりの時、
居場所探して彷徨いてたらさ。
ここを見つけてこっそり入ったの
そしたらマルが居てね、驚いたの
でも追い出されなくて。嬉しくて」
「そういや、そうやったなぁ」
「ギター、聞かせてくれて。
そして7人にも出会ったんだよ!
ねえ、気づいてる?私は…
ガラッ、
開いたドアの音に、
私の言葉は途切れてしまう。
お互いに目を合わせ
その視線の意味も互いに知らぬまま
「もーう!見つけたァ!」
安田くんの声に、
2人して駆け寄って。
気まずいままの空気に
私だけ寂しい視線をマルに向けた。