第10章 関ジャニ∞:丸山隆平
「無理矢理入れるのはあかんちゃうの?
それとも翔くんに報告したろか?
容赦なく軽音部は廃部にするやろうな〜?」
ニヤニヤ笑う丸山先輩に怯(ひる)み、
二人はどこかへ逃げて行った。
「きみ、大丈夫?」
「ありがとうございました…!」
ペコッと深くお辞儀すると
笑いながら「顔あげて」と言った。
「ほんま、冷や冷やしたわ。
翔くん一緒やったから安心してたら
いつの間にか1人になってんもん!
慌てて来たら…よかった」
へへ、なんて
可愛く笑う先輩は制服に
生徒会役員の印のバッチをつけてた
「俺、勧誘してるように見えて
ほんまは監視してんねんで~!
ふっふーん、すごいやろ!!」
と笑う先輩。
やっぱり生徒会役員、なんだ。
「生徒会って部活入れないんですね」
「なんやねん、読んでへんのか」
ほら!と見せたのは、
生徒手帳の規約を記したページ。
一、
生徒会役員になったものは
部活及び同好会へは入れない
二、
生徒会には学校最高権利を持ち、
また、権利を主張する事が可能である
丸山先輩は「な?」と
首を傾げる。
「…そうですね。確かに。
にしてもなんで助けてくれたんですか」
私なんてどこにでもいるような
平凡な1年生だというのに
まあ、助けてくれた事には
感謝感激なんだけれど。
「…、き、気に入ったからや」
「気に入ったから…?」
なんで?
「好きっちゅーことや!!」
顔なんか真っ赤にして。
初対面なのに、好きだなんて。
「あーつい」
パタパタ仰ぐ先輩と、
目が合うから。
「…なんで、ですか。」
なんて今さらなことも、
「ほんま、アホなん」
鈍感なのかアホなのか、
とぼける私を
優しく包み込む先輩は。
なんだかズルいと思うのは私だけ
( 鈍感なのかアホなのか ) END