第10章 関ジャニ∞:丸山隆平
高校の入学式を終えたと同時に、
悲鳴に近い歓声が響いて
そちらを見てみると、
「陸上部楽しいで~!!
みんな仮入部してってなぁ!!」
ぴょんぴょん跳ねながら、
勧誘してる先輩の姿。
『仮入部しちゃおうかな〜』
『先輩かっこいいしね!』
『あの先輩、陸上部なんだね!』
『行ってみようよ』
なんて女の子たちは、
陸上なんて興味ないくせに
パタパタとグラウンドへ駆けた。
でも確かあの先輩…
「ちゃん?」
「あ、翔先輩!」
「やっぱり〜!!
なんか見覚えあると思ったんだ!」
櫻井翔先輩は、
生徒会役員でこの季節になると
学校中(校内も外も)駆け回ってて
すごく忙しいって聞いた。
「今さ部活の勧誘してるだろ?
ここんとこ違反的な勧誘あったりして
1年が怖がってるみたいなんだ
だから生徒会で見回って
監視しようってなったんだけどさ…」
はぁ、と大きくため息。
「お疲れ様です」
「ほんとだよ。
部員も必要なのはわかるけど…」
ここの部活は、
"部"だと呼ぶには、
部員の数が必要不可欠で。
指定の人数より
3/1以上部員の数がなければ、
それは同好会へ降格する。
同好会に降格すると、
試合をしたり大会に出たり
外に出て活躍する事が出来なくなる。
だからこの季節になると、
先輩達は勧誘に熱を燃やし
色々な手を使い入部させようとするのだ