第10章 関ジャニ∞:丸山隆平
「俺な、Johnny'sやっててん。
ほんでな。デビュー決まったから。
テレビあるから東京に移り住むねん」
そんなことを言う丸山さんの表情は
どこか寂しそうで、
だけど嬉しそうに笑った。
なんでだろう。
その理由すらも、
聞くに聞けなくて。
だけど聞きそびれるのは、
なんだかイヤで。
「僕がな、君に会いにいく。
本当の理由、教えたるわ」
優しく微笑んだ貴方が、
耳元でそっと囁くその声に。
ふふ、って笑う貴方の声に。
ドキドキと心臓は止まらない
「…はじめまして!好きです!」
「まる、」
震えた声に驚いて、
咄嗟に口を手で塞ぐ。
流れ落ちるこの涙。
はじめまして、好きです!
ずっと一緒に居たい
この気持ちとは反対に、
目深に帽子を被り、
マスクをした丸山さんが
私の手に連絡先を記した
紙を握らせて。
『またいつか』
そう微笑んで、
遠く遠くに走り去る背中に。
( はじめまして!好きです ) END