第9章 関ジャニ∞:村上信五
悔しい事なんて一つもない。
見ていて飽きないし、
だけど物足りなくて
あいつが見えなくなると、
心から何かが抜けたみたいに
ボーッとする時間が増えて。
「おい、おおく…」
「俺、用があるから帰るな〜!」
大倉が俺を避けるようになった。
別に。
悔しい事なんて一つもない。
正しい事をした。
期待を持たせるようなこと、
ひとつもしていない
だから。だから。
なにも、間違っちゃいないのに
なんで?
なんでなんやろ。
「喧嘩でもしたん」
「…して、へん」
「…珍しく村上くん泣きそう、」
ヤスが心配そうに覗き込む。