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Ifの物語。

第2章 嵐:大野智



ぎゃいぎゃい騒ぐ二人の、

ずっと後ろで歩く私




「ちゃん」




金髪の、ふわふわした、
派手な服の安……何とか君って子が


腕を絡めてきた。




「僕にチョコくれへんの」

「初対面なのにない」

「えー、カバン中あるやん」





と確かカバンに
入れていたチョコが



彼の手にあった




「返して!!!」






彼からチョコを奪う。





「…ご、ごめんな」




と慌てて謝る彼


前を歩いてた二人が
こちらへ戻ってきた






「ヤス、やめてやって
 この子、失恋中なんやから」




と亮が彼から私を離す






じわっと涙が出て来て、




ギョッとした。









失恋中、だったや。
そう言えば。










「先、言っといて」


「おん、ヤス、行こ」
「わかった。
 ちゃんごめんなぁ」










二人きりになった状況で、


亮はそっと手を握った。








「。」

「…なに」

「俺は、離れへんから」

「…うん」

「素直やなくても」

「うん、」

「まだ大野くん好きやっても」

「…う、んっ………」

「俺は、だけやから」







「りょ、」




「平気やで。
 俺らずーっと一緒やん」










にっ、と笑う亮に
抱きつく私






素直になってたら、


このチョコは
彼に渡せていたのかな。






もっと、早く


伝えていたならば







変わっていたかな。







「ありがと、亮」


「ええで、別に」







ああ、



やっぱり












バレンタインデーなんか嫌いだ




















( バレンタインデー ) END


















「大野くん、な」
「うん、?」
「…今カノのこと、」
「……」
「前から好きやってんて」
「そっか、」
「やから、もう俺だけ見て」








隣を歩く亮が、


珍しく赤らめて
手を優しく握って来たから




「……そのうちね」






強く握り返してやった





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錦戸くんの夢になっちゃいました
ごめんなさい…。


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